われわれは、ともすれば過去にこだわりがちだ。
すなわち、自分の限られた過去の体験にこだわって、将来の結果を予測する傾向にある。
過去に成功したことを持ち出して、同じ方法でこれからも成功するとか、また、過去に失敗したことを持ち出して、同じようにすれば失敗するとかだ。
しかし、過去に成功したり失敗したのは、そのときの「周囲の条件」が、たまたまそのような結果になる条件であったからだ。
過去に成功したから、また、失敗したからと言っても、将来も、そのときと同じような「周囲の条件」になるとは限らない。
時の経過で周囲の条件は変化しているのだから、過去にこだわって判断することは、間違っているのではないだろうか。
このような過去にとらわれた考え方を固定観念というが、将来をよくする「新たなチャレンジ」にとって、この固定観念は大敵だ。
しかも、現在は、我々を取り巻く環境は急激に変化している。
ゆっくりと環境が変化する時代であれば、過去と同じような判断をしても大きな間違いは少なかったかもしれない。
しかし、環境が激変する中では、大きな失敗になりえる。
だから、過去にこだわらないために、過去を忘れるべきと思う。
過去を忘れ白紙になって考えることによって、正しい判断ができると考えている。
過去にこだわりやすい理由に、失敗の「原因」を考えすぎることがある。
もちろん、失敗の原因を考えることは、将来成功するためには非常に大切なことだ。
しかし、ともすれば、その失敗の「弁解」をするために、つまり、責任逃れの「原因」だけを考えがちになる。
つまり、過去を考えることは、結果として、弁解だけを考えて同じ失敗(新たな再挑戦)はしないことになるのだ。
だから、これから先を考えるときは、過去の話は早く切り上げて、どうしたら将来は上手くいくのかという方向に頭を切り替えるべきだ。
改めて過去のことを考えるまでもなく、将来の成功のことを強く思うと、潜在意識が過去の経験を無意識に前向きに考えてくれるようになる。
すなわち過去は自然に活かされるものだ。