若いときには過去の体験が少ないからかもしれないが、過去を考えることはあまりない。
長い将来を「成功」させることだけに燃えている。
しかし、年をとって多くの過去ができてくると、過去の知識や体験を思い出そうとしたり、考えるようになる。
これは成長というよりも、これから先に対しては「成長の壁」になるのではないだろうか。
なぜなら過去を考えることに一生懸命になり、自分の知らない、これから先に役に立つ、新たな知識の吸収や世界情勢の理解を妨げることになるからだ。
過去は、「ある方」が成長するのか、それとも、「ない方」が成長するのか、それは、成長が著しい子供を見れば明らかだ。
過去を持たない子供たち、成功の経験もなく失敗の経験もない子供たちが、これから先の自分の将来に目を輝かせて、人生の新たな荒波に向かって挑戦していく。
過去がないから、何事にも新たな気持ちで挑戦する。
もちろん失敗もするが、大きな成功もしながら成長していく。
そして、自分の人生を充実させる。
だから、年をとってからも成長を続けるためには、それまでの多くの「経験をうまく忘れ去る」ことが必要と思う。
これからの激変する社会の中で、会社が勝ち抜くために必要な「優秀なリーダー」にとっては、これから先の新たな環境変化を予測して、俊敏に判断し対応できる能力が非常に大切になる。
この場合、過去の経験はマイナスに作用することの方が多いものだ。
常に今が「スタート」で、これから新たな知識や技術を理解し体得するという心構えが、これからのリーダーには必要ではないだろうか。
過去の経験をうまく活かすことは大切だが、あえて活かそうとしなくても、将来を考えれば自然と活かされるものだ。