仕事をうまく進めて、その結果を会社の成長や収益向上という業績に反映していくためには、「厳しさ」が必要だ。
この厳しさには、「守る厳しさ」と「攻める厳しさ」の2種類がある。
「守る厳しさ」とは、決められた規則を守ったり、また、現状のレベルを維持するための厳しさだ。
たとえば、決められた業務手順に従う、現状の品質水準を維持する、また、決められた納期を守る、売上高を維持するなどだ。
さらに、上司から指示された仕事をその通りにする、なども該当する。
この守る厳しさは、会社の秩序を維持するためには当たり前のことであり、かつ、大切なことだ。
しかしながら、この守る厳しさが強くなりすぎると、現状を守ることが目的になってしまい、進歩を阻害することになる。
いくら確実に守ろうとしても、守りきれないことが必ず出てくるからだ。
そのときに、あまりにも守る厳しさが強すぎると、今度は、その責任逃れの言い訳を考え始めてしまう。
そして、守る厳しさを追求するために考えたり、資料を作ったりする時間が、どんどんと増えていく。
しかしながら、いくら現状を守り維持したとしても、それは進歩にはならない。
もちろん、それも意義あることかもしれないが、得られるものは目指すべき「夢」や「あるべき姿」ではなく、現状維持だけだ。
このように、守る厳しさに必要な時間は際限がなく、しかし、それから得られる結果は小さい。
もうひとつの「攻める厳しさ」とは、進歩していくための厳しさ、言いかえれば、現状を変化させるときに必要な厳しさだ。