リーダーは周囲の人に対して、常に新たな気持ちにさせることが大切だ。
新たな気持ちとは、グループの共通の目標に向かって、「さあ! これからもやるぞ」という意識にさせることで、このような意識になれば、仕事によりいっそう真剣に取り組むことができる。
なぜならば、われわれが行っている仕事は、ほとんどが毎日同じことの繰り返しに思えてマンネリになりやすく、その仕事の目標を忘れてしまい、目標にまい進する力が鈍りやすいからだ。
だから、メンバーと話をしたら「さあ! これからもやるぞ」という気にさせること、これを目指してリーダーはメンバーと話をしなければならない。
そのためには、リーダー自身が常に新たな気持ちになっている必要がある。
リーダーの新たな気持ちがメンバーに伝わり、そして、その人たちの気持ちを一新する。
リーダーが新たな気持ちになるための第1は、常に目標を意識していることだ。
その目標も、たとえば3ヶ月先の目標、1年先の目標、そして5年先の目標と、3ステップで考えていることが必要で、あまり現実に近い3ヶ月先という当面の目標だけを意識していると疲れてしまう。
なぜなら、その目標に対してはすぐに結果が出るため、その結果が良くても悪くても一喜一憂しやすい。
しかし、もう少し先の1年先とか5年先の目標も同時に意識していると、計画の進展が着実に実感できるために、近場の目標に一喜一憂する(とらわれる)ことなく、常に新たな気持ちになることができる。
新たな気持ちになるための第2は、目標実現の可能性を信じることだ。
いくら1年先や5年先の目標を描いたとしても、それが実現できるかできないかわからないならば、また自信が持てないならば、新たな気持ちなることはできない。
だから、その目標が本当に実現すると信じることだ。
この信じるということは、自分の意志でできる。
しかし、何回かやってくる「困難や失敗」で弱気になったり、信じられなくなったりするものだ。
だから、「部屋に目標を掲示しておく」、また、「毎朝目標を読んで自覚する」などの方法で、目標が少しずつ実現していることを、自分の頭の中に焼き付ける工夫が必要だ。
さらに、第3は、毎日の生活に区切りをつけることだ。
決して昨日の延長で、今日の自分の仕事や時間を考えてはいけない。
昨日の延長で今日を迎えると、どうしても現実にとらわれた発想になりやすく、新たな気持ちにはなりにくい。
だから、たとえば朝起きた時に、「今日から新たな日々が始まった。新しい自分の人生が始まった。何か新しいことに巡り会うかもしれない」と意識すると良い。
このようにして、新たな1日が始まるという自覚を持つことによって、常に新たな気持ちになることができる。
その他にもいろいろな方法があると思うが、自分に適した方法を考え出して、自分自身の気持ちを常に新たな気持ちにしておくことは、リーダーにとって非常に大切なことだ。