仕事で自分を伸ばそう

「伸びる社員」「伸ばす社長」「優秀なリーダー」について簡潔にお話しします。

組織に摩擦を起こそう

 リーダーとしてグループや組織をまとめていこうとすると、リーダーが考えていることと、メンバーが考えていることに食い違いが発生する。

 また、メンバー同士の間でも考えていることに相違がある。

 この考え方の相違は、あって当然のことなのだが、大切なことはこれをどのようにまとめ、リーダーの考える方向に引っ張っていくかだ。

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 基本は、話し合いにより考え方を統一して、全員が納得してから行動を起こすべきなのだが、全員が納得するということは現実的には困難だ。

 たとえば、5人のグループであることについて話し合った場合に、3人はそれを納得して行動に移ろうとする。

 もう1人は、そのことに納得できずに反対する。

 残りの1人は、どちらでもよいというニュアンスだ。

 このような場合、時間をかけて徹底的に話し合えば、かなりの線まで近寄ってくることはできるかもしれないが、やるべきことが多くあると、ひとつのことにだけに多くの時間をかけることはできなくなる。

 もちろん、基本的な目標の意義や考え方について相違があるならば、ある程度時間をかけて、お互いの考え方を統一しておくことは必要だが、相違点が枝葉のことであるならば、リーダーの意見に従わせるということも必要だ。

 

 そして、この場合にリーダーは、メンバーとの間に人間関係の摩擦が生じることを知っておくことだ。

 また、それを覚悟しておく必要もある。

 しかし、人間関係の摩擦を生じないで、物事が進むのが良いというわけではない。

 たまには摩擦が生じて、その摩擦熱をバネにして、人間関係をさらに良い方向へもっていくことも必要だ。

 また、実際に良い方向へもっていくことができる。

 なぜならば、人間関係の摩擦というのは、それぞれの人の物事に対する情熱から出てくること、そして、その摩擦熱が、物事に対する考え方をグループの中に調和させるエネルギーになるからだ。

 「雨降って地固まる」とか「喧嘩の後の兄弟名乗り」と言われるが、リーダーもメンバーも、ものごとに対して良くしていこうという情熱や執着心がなければ摩擦は生じない。

 自分の考え方をしっかりと持っている人同士が、同じ目標に向かって行動しようとするときに、その考えに対して執着すればするほど摩擦は強くなっていく。

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 しかし、摩擦熱で自分の理性が燃えてしまう、つまり、摩擦によって発生した熱で頭に血がのぼり、感情的になって話すようではだめだ。

 この熱を「感情」というエンジンに注ぐのではなく、「理性」というエンジンに注いで、その燃料にするように努力することが大切だ。

 こうして、人間関係の摩擦を「理性」でとらえることができたら、世の中から人間関係の問題は激減するはずだ。

 

 常識で考えても、足と地面との間に摩擦がないことには、われわれは歩くことができない。

 また、自動車を加速したり停止することもできない。

 間違いなのは、加速するときにブレーキを踏んだり、停止するときにアクセルを踏むような摩擦の使い方だ。

 このようなまちがった摩擦の使い方は、身近な人間関係においてもときどき見られるが、会社の中では、ほとんどの人は摩擦を避けて仕事をしようとしているように思う。

 表面的にはそれで仕事がうまく進んでいるように見えるが、多くの問題が潜在化しているにすぎない。

 もっともっと会社の中に摩擦を起こし、潜在的な問題、特に、人間関係や組織、目標に関する問題を上手にクローズアップしていくことが、組織の活性化につながると考えている。