自己改造10年計画を立案し実行していくためには、次の2つの意識が必要だ。
ひとつは「問題意識」だ。
自己改造10年計画を作るために、優秀なリーダーに必要な15の項目を自分の実情と比較して、多くの不足する点(問題点)見つけ出した。
このように、優秀なリーダーになるためのスタートは、まず問題点を発見する意識を持つことだ。
この「問題意識」がないと、何をどのようにしてよいのかわからない。
ところがわれわれは、日常生活をしていく上で、問題意識を持たずに行動していることが多い。
それは、日常生活のパターンが身体に染み付いて、問題意識を持って問題点を発見し、それを改善していかなくても大きな不自由を感じないからだ。
また、いくら便利な方法や良いやり方があったとしても、現状の方法をなかなか変えにくい。
変えてしばらくの間は、今までの方法に慣れているだけに、新しい方法があまり便利に、また効果的には思えないからだ。
このように、よっぽど不便を感じない限り問題意識は出てこない。
また、われわれは子供の時の教育で、欲しいものを我慢したり遊びたい気持ちを我慢するなど、「我慢することの大切さ」を強く教えられて来たことも、問題意識を持てない理由のひとつだ。
もちろん、我慢をするということは生きていく上で大切なことだが、我慢することに慣れてしまって、反対に進歩の芽を摘んでしまっている。
だから、問題意識を高めるためには、我慢をしないで不便を不便として感じること、また、やりにくいことをやりにくいこととして感じることが必要だ。
そうすることによって、多くの解決すべき問題点を見つけることができる。
本当の我慢というのは、問題を感じないのではなくて、感じた問題点を解決していくときに必要な努力をするための我慢である。
ところで、問題意識だけが旺盛な人がいる。
ここが問題だ、あそこが問題だ、というように多くの問題を感じてはいるのだが、それを解決しようとせずにそのままにしている人だ。
このような人も含めて、問題意識の次には、発見した「問題点」を解決する意欲が必要になって来る。
これを「課題意識」と言い、自己改造10年計画を実行していくために必要なふたつ目の意識だ。
この課題意識を持つためには、問題点を解決することによって、一歩ずつ目標に近づくことを強くイメージすることで、目標が達成していることを頭に描くことだ。
そうすると「目標を達成するためには、何かをしないといけない」というように、問題点を解決しようとする課題意識が強化されて来る。
つまり、現状の問題点を考えることから、それを解決していく力を生み出すのではなくて、優秀なリーダーになり自分の夢が実現している目標達成のイメージから、自分が取り組むべき課題を意識することによって、解決意欲を生み出すことだ。
優秀なリーダーになるためには、問題点を発見する「問題意識」と、それを解決しようとする「課題意識」の2つの意識を持つことが必要だ。
そして問題意識だけにとどまらず、旺盛な問題意識から上手に課題意識に高めていくことが、非常に大切なことだと考えている。