岸田総理になって、「新資本主義」「成長と分配」という言葉が聞かれるようになった。
この考え方で衰退中の日本が再生されるのか気になるので、少し考えてみた。
内閣官房のホームページでは、新資本主義を下記のように定義している。
「成長と分配の好循環」と「コロナ後の新しい社会の開拓」をコンセプトとした新しい資本主義
私なら前後を入れ替える。
「コロナ後の新しい社会の開拓」を目指す「成長と分配の好循環」をコンセプトとした新しい資本主義
なぜなら、国が目指す方向をまず示し、そのための手段として「成長と分配の好循環」があると思うからだ。
さらに「成長と分配の好循環」という考え方は納得しかねる。
「企業が儲けて社員の給料を増やせば、さらに一生懸命に働いて成長を続ける」、すなわち「お金が働く動機づけの基本」という考え方だ。
過去30年間、給料がほとんど上がっていない、現代の格差の時代だけに迎合しようとする考え方だからだ。
まお、企業は儲けたとしても生存競争があるので、内部留保や設備投資にお金を回して、「成長と分配の好循環」は絵に描いた餅になるだろう。
私は、国家戦略として「コロナ後の新しい社会の開拓」を描くことがまず第一と考える。
多くの国民が、国家の目指すべき姿のイメージができることが、国民の行動の原点だ。
そのためには、イメージが膨らむ具体的な目標値が必要だ。
例えば、GDP、給料、インフレ率、人口、人工構成率、年金、幸せ度のアンケート評価…等に、5年後、10年後の数値目標を設定て評価をしてはどうだろうか。
30年間も給料が上がらない状況は、すぐに改善できるものではない。
5年後、10年後の目標値で十分だ。
ただし残念ながら、今の政府では無理のような気がする。
発表する資料は長い文章ばっかりでわかりにくい上に、内容はぼかした表現の方が責任がないからだ。
先ほどのような具体的な目標値を設定すれば、多くの手段が浮かんでくるが、基本は行動する「国民が動機づけられること」だと思う。
何のために働くのかを再度徹底的に考えて、それぞれの働く場で適宜臨機応変に対応していくことだと思う。
給料かもしれないし、仕事そのものかもしれない、ルールかもしれない、また組織かもしれない…。
このような考え方の人が出てきたら、私は一票を投じたい。